バイヤーズ・エージェントのNPO法人が「空き家活用」と「地域応援」に力を入れる理由
❶ある意味でバイヤーズ・エージェントそのものだった旧体制
私達のNPO法人の名称に含まれるバイヤーズ・エージェントは、直訳しますと「買う人の代理人」です。
バイヤーズ・エージェント制度は海外、特にアメリカ型の不動産売買の制度で、買う人がエージェント(代理人の不動産のプロ)に依頼する仕組みです。
なぜ、この重要性を提唱したかと言えば、日本の場合は、1社の不動産屋さんが、売主側と買主側を兼ねることができ、当時、買主からのトラブルも多かったからです。
ただ、ビジネスの側面では、こうならざるを得ない事情があり、両方を兼ねた方が儲けが多い(売主と買主の両方から仲介手数料をもらえる)ので、あえて買主の側に特化するメリットは無いと感じましたし、そもそも法的に認められていれば、海外だって双方をやっているのではないかとも思いました。
ですので、旧体制時代は、わざわざ日本の仲介制度に異を唱えて仲介事業者の皆様と対立するのではなく、ご参加いただいた仲介事業者の皆様のお力をお借りしながら、(買主だけではなく借主も含めて)顧客目線での不動産相談を受け、ある意味では、NPO法人自体がバイヤーズ・エージェントの役割を担ってきたと感じています。
❷空き家にこそ感じたバイヤーズ・エージェントの必要性
その後、オープンなQ&Aサイトが普及し、また、理不尽な事例はSNSで公開されて是正されるなど、旧体制でやってきたことを、皆様同士でやれる環境になり、無料のメール相談は終了し、現体制での活動が開始します。
一転して、空き家・空き地問題をテーマにしましたので、全く新しいことをするように思われがちですが、実は違います。
確かに、理事長の私も含め、メンバーも活動そのものも変わりましたが、法人名と定款(法人の活動目的)を継承しました。
空き家・空き地こそが、日本でバイヤーズ・エージェントのノウハウが最も必要だと感じています。
空き家や空き地は、物件価格が低く、老朽化や相続などでの権利関係の複雑さから、率直に言ってしまえば、仲介事業者の皆様が扱いがらない取り引きであることが多いのです。
ですから、個人間での契約になることも多いのですが、プロが見送るような物件を契約するのですから、そこにはバイヤーズ・エージェントのノウハウが不可欠だと考えました。
IENOTANE(空き家を楽しく)では、実際に古民家や空き家などを利用して活動されている皆様や、マンションやテナントなどの空きスペースを活用されている皆様、そして、そのようなことをやっていきたい皆様の間で、アイデアを共有しつつ、NPO法人がバイヤーズ・エージェント視点で、実際に物件などを活用していきます。
この実践の模様や得たノウハウなどを、公式ブログを通じて、市民の皆様にお伝えしていくことで、目的の達成を目指していきます。
❸これからの時代のバイヤーズ・エージェントに必要なもの
一方で、バイヤーズ・エージェントの重要性だけではなく、守備範囲の拡大の必要性も訴求したいと考えました。
人口が増加して開発が進み、新たな住民が増えていく時代においては、物件の購入は、物件だけで考えても大丈夫だったと思います。
しかし、空き家が増える時代においては、どんなに良い物件を購入したところで、その地域での雇用力が無い、税収不足(将来的な生活インフラの維持に不安がある)など、個人では解決できないトラブルに巻き込まれる可能性があります。
仲介事業者の皆様の守備範囲は、今までも居住後のトラブル防止のために近隣の状況なども調べることはありましたが、基本的には住んでからのことではなく、あくまでも短期的な購入満足度を指標に動かれると思います。
一方で、これからの時代に必要なのは短期だけではない、中長期も踏まえての居住満足度になり、そこを指標に顧客のために調査や交渉ができることが、バイヤーズ・エージェントに求められるのではないかと思います。
❹居住満足度の向上に向けたバイヤーズ・エージェントからの提案
すでに日本でも、海外から日本を訪れ、その魅力にひかれて居住、さらには永住されている皆様が増えてきました。
日本人の皆様の多くが、日本が好きだから…と思われがちですが、実際には、日本の中の●●(居住地)が好きと言うように、その地域でなければならない背景があります。
本来なら日本人であっても、同じように居住地を決めることで、居住満足度は高くなることが予想されますが、生涯雇用を基本にしていた日本社会では、現実的には難しい状況でした。
しかし、テレワークの普及やワーケーションの推奨などの動きにより、まだ一部ではあるものの、自分の好きな地域に居住できる皆様が増えてきました。
そこで、企業や自治体が主体となるプロモーション活動に加え、市民レベルの草の根的な活動として、皆様が訪れた地域の魅力をSNSを通じて共有し、それぞれにとって居住満足度が高い地域選びに役立つ活動が、#yatcheeseです。
❺この活動を続けていくためには、市民の皆様からのご支援が必要です m(_ _)m
旧体制の経験を踏まえ、このような形で新たな活動をしておりますが、今、最も重要になってきますのが、運営にかかる費用(月額・約10万円)の工面になります。
継承前は、前理事長のお力添えによって、ご協賛いただく企業様がございましたが、すでに契約期間は満了しており、新たに活動資金を確保しなければならない状況にあります。
2021年度までは、皆様からの会費で不足します部分を、私個人の持ち出しで運営してきましたが、これでは将来的な世代交代も含め、このNPO法人の活動を持続させることが難しい状況です。
そこで、まずはご支援いただいております皆様への御礼、そして、ご支援のご案内をすべく、この「ありがとうのページ」を作成させていただきました。
私たちの活動に共鳴してくださる皆様、どうぞ、お力添えをいただければ幸いです🙇♀️
ご支援につきましては【コチラ】をご覧ください。